こんにちは。
宮城県岩沼市の
いわぬま矯正歯科クリニック院長小森です。
マウスピース矯正の中にはインビザラインと呼ばれる物がありますが、以前の記事でどのようなものであるかご説明させていただきました。
その中でもご質問が多い、「インビザラインでの治療期間」に関してご説明させていただきます。
マウスピース矯正とワイヤー矯正の違い
マウスピース矯正の一つであるインビザラインは、ワイヤー矯正との違いがあります。
取り外しができる
ワイヤー矯正はずっとつきっぱなしの固定式装置ですが、マウスピース矯正は取り外しのできる可撤式装置(かてつしきそうち)です。
そのため、歯が磨きやすいですし、何か不測の事態があった時に外す事ができます。
装置の交換時期
ワイヤー矯正では一か月に一回程度の通院が必要です。理由としてはワイヤーの動きが一か月で終わるからです。
これに対してマウスピース矯正は、1組ごとの交換自体は1週間前後(歯科医師の判断や症状によって5日~10日)で、数組のアライナー(マウスピース)をお渡しするので通院は1~2か月程度です。
インビザラインの治療期間に関わる要因
それでは、マウスピース矯正の治療期間はどのような要因が関わってくるのでしょうか?
歯の凸凹の大きさ
これはマウスピース矯正に限らず、歯列矯正全般の治療期間に関係します。
凸凹が小さければ歯の動きが小さくて済むので期間は短くなりますが、大きければ歯を大きく動かす必要が出てくるので期間は長くなります。
抜歯を伴う歯列矯正は、抜いたすき間を詰めるので治療期間は長くなります。
患者の協力度
ワイヤー矯正は自動的に装置が動くので、ほとんど患者自身が操作をしません。
ですが、インビザラインは一日20時間以上の装着が推奨されているので、しっかり守って頂く事が必要になります。
めんどうくさい物ではあるのですが、それをしない事には治療は進みません。
治療計画
どのように歯を動かすか、その内容によって治療期間は変わります。
それはワイヤー矯正でも同じなのですが、歯科医師の考える治療計画で歯ならびの治り具合が決まります。
マウスピースを作り直す時間
インビザラインは歯型を採ると、歯ならびが完全に治るまでのすべてのマウスピースが作られます。
その際の歯の動きはあくまで理想形なので、必ずしもその通りにならないためにマウスピースの作り直しが必要になります。
歯型を採りなおして新しいマウスピースが届くまでに、数週間~一か月程度かかります。
その間は歯を動かさないので、その分治療期間は長くなります。
新型コロナウイルス感染症の影響
マウスピースを作り直す時間に、新型コロナウイルス感染症の影響が生じています。
工場の稼働制限
現在インビザラインは、コスタリカでデータを受け取ってクリンチェック(治療計画)を作成して、アメリカでアライナー(マウスピース)を製造して出荷しています。
そのため、国の政策によって工場の稼働時間が制限されたり、出勤する人員に制限が生じる場合があるようで、製造までに時間がかかっています。
飛行機の減便
日本に向けての貨物便が減便されている影響で、数便後にずれ込んでしまって日数がかかるようになっています。
インビザラインは時間がかかるか?
インビザラインは従来のワイヤー矯正と異なる特徴が多く、それによってメリットやデメリットがあります。
一概に治療期間が長くなるわけではありませんが、歯ならびの状況によって変わってきます。早く治療が終わる場合もあれば、その逆もあり得ます。
まとめ
通常の矯正歯科では、ワイヤー矯正とマウスピース矯正が利用できる場合、基本的には「患者さまの希望」でどちらを利用するか決まるケースがほとんどです。
ですが、本来は症状を考えてどちらがベストです。
ワイヤーは嫌だからという理由だけでマウスピースを選択する場合、症状によって期間が延びるというリスクがある事を理解して頂ければ幸いです。