口ゴボ(くちごぼ)は治りますか?
こんにちは。
宮城県岩沼市の
いわぬま矯正歯科クリニック院長小森です。
今回は、口ゴボ(くちごぼ)に関してご説明をさせて頂きます。
口ゴボ(くちごぼ)とは?
「口ゴボ(くちごぼ)」という歯科用語は存在しません。
正式な名称は「上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)」と言います。上の歯も下の歯も両方前に出ている状態です。
学校の歯科検診などでは指摘されない事が多いのですが、歯科では「不正咬合」の一つとされています。
下の画像は生成AI(google gemini)で作成されたものです。
口ゴボ(くちごぼ)になる原因
口ゴボになる原因はいくつかあります。
1 骨格的な問題
元々、上下の前歯が前に出ている骨格をしている場合、唇も前に出てしまうため口ゴボになります。
海外では「モンキーフェイス(monkey face)」言われる、アジア圏では多い骨格がこれに当てはまります。
2 歯の大きさ
歯の大きさも原因になる事があります。
あごの大きさに比べて歯が大きいと歯が外側に出ていき、特に前歯は前に出ざるをえません。
3 子どもの時の矯正治療
子どもの時に矯正治療をした場合も、口ゴボになる可能性があります。
凸凹な歯ならびを矯正治療する場合、歯の生えるすき間が狭いと無理矢理歯を詰め込まないとまっすぐになりません。奥歯を広げるのも限界があると、今度は前歯を前に出さないといけません。
永久歯にすべて切り替わっている状態であれば歯を抜いて前に出さない選択肢がありますが、乳歯がまだ残っていて永久歯が歯ぐきに埋まっている状態ではその選択肢は取りにくいです。
その結果、口ゴボになってしまう場合があります。
口ゴボ(くちごぼ)のデメリット
1 口の中の衛生面が悪くなる
歯が前に出ているため、口が閉じにくくなります。
そのために口が開いて乾燥して虫歯や歯周病にかかりやすくなるなど、衛生的な問題を生じる可能性があります。
また、口の乾燥で細菌が繁殖しやすくなり口臭が強くなる原因になります。
2 見た目が悪くなる
横顔でEライン(鼻の頭と顎の先を結んだ線)より口元が出ているので、見た目にコンプレックスを感じやすくなります。
また、口を閉じるのに通常より力をかける事が必要になり、唇周りの皮膚が引っ張られるため、ほうれい線が深くなってしまう可能性があります。
3 口呼吸になる
口を閉じにくいために鼻で呼吸がしにくく、通常であれば鼻で防がれているウイルスが直接体内に入って病気になりやすくなります。
また睡眠時に口を閉じられないので、いびきをかきやすく睡眠時無呼吸症候群(SAS)にもなりやすいです。
口ゴボ(くちごぼ)の治療方法
1 歯を抜いての矯正治療
一般的な方法がこれです。
小臼歯(犬歯の後ろの歯)を抜歯して、その空いた部分へ犬歯と前歯を内側に移動させます。
小臼歯の幅は7~8mmくらいなので、大きく内側へ移動させる事が可能です。
2 歯を全体的に奥へ移動させる
歯を抜かずに、奥歯も含めて全体的に移動させる方法です。
小臼歯などを抜く必要は無いのですが、親知らず(第三大臼歯)を抜歯する必要が出てくる可能性があります。また、移動距離は2~3mm程度なので、大きく口元を引っ込めることは難しいです。
3 外科手術を伴う矯正治療
下あごの骨が大きいなど、元々の骨格で前に出ている場合は外科矯正と言われる手術を伴う矯正治療が必要になります。
まとめ
口ゴボは一見すると歯ならびが良いように感じるので、特に治療が必要ないと思われる事があります。
ですが、口が閉じにくいなどの機能的問題や見た目の問題があり、悩まれている方が多いのも現実です。
気になるのであれば、お近くの歯科医院でお聞きになってみてください。
