こんにちは。
宮城県岩沼市の
いわぬま矯正歯科クリニック院長小森です。
今回は、「歯科矯正治療の痛み」に関してです。
矯正は痛い?
歯列矯正のご相談を受けていると、「矯正って痛いんですよね?」とご質問される事があります。
大体は違和感程度が多いのですが、人によって痛みの閾(いき)値は様々で、痛みに感じる方もおられます。
矯正の痛みの種類
実際の矯正の痛みは大きく以下の3つです。
①歯に力がかかる事による痛み
歯に力がかかると歯と歯ぐきの骨の間に刺激が生じて、歯に痛みがおこる場合があります。
歯科矯正治療で装置を調節するごとに、新しい力がかかるので、その都度2~3日程度(長くても一週間弱)痛みが続きます。
②咬み合わせの変化による痛み
歯が動くと咬む場所が変化します。その際、慣れない咬み合わせによって、一時的に痛みが生じる事があります。その後、さらに歯は移動するので、痛みはおさまっていきます。
インビザラインなどのマウスピース矯正ですと7~10日ごとにアライナー(マウスピース)を交換するので、数日おきに咬み合わせが変化します。そのため、比較的違和感が出やすい可能性はあります。
③装置が擦れる事による痛み
矯正の装置は凹凸があります。最初の慣れないうちや歯の移動によって、口の中の粘膜を傷つけてしまう場合があります。口内炎なども生じる事があります。数日中におさまる物で、慣れてしまうとあまり気にならなくなる方がほとんどです。
痛みへの対処法
①痛み止めの薬を使う
鎮痛剤で痛みをやわらげる方法です。当然痛みはなくなるのですが、一部の鎮痛剤は歯の動きが悪くなる可能性があります。特にビスホスフォネート製剤は、破骨細胞(骨を吸収する細胞)の働きを抑えるため、骨粗しょう症の治療薬にも使われます。
歯列矯正で歯が動くためには、歯の動く方向は骨の吸収が必要で、その反対側は逆に骨の生成が必要になります。骨の吸収が抑えられると歯が動かなくなってしまいます。
この事から、痛みのある2~3日程度、長くても1週間以内であれば薬を利用しても良いですが、ずっと使い続けるのはあまり好ましくありません。
②装置をカバーする
装置が擦れる場合は、装置自体をあまり当たりが強くならないようにカバーをかける方法があります。医院側でプラスチックのカバーをする事もあれば、患者さま自身でソフトワックスでカバーをして頂く事もあります。
③慣れるまで我慢する
この方法が一番多いのかもしれません。歯の動く痛みが一定期間あるのは仕方のない話ですし、咬み合わせの変かも一時的なものです。通常より少し柔らかいものを食べて我慢するのも立派な対処法です。
まとめ
歯列矯正は個人差がありますが、違和感なり痛みが生じる場合があります。
痛みを好きな人はほとんどいません。しかし、その痛みの分だけ、綺麗になった喜びも大きいのかなと思います。痛みと上手く付き合う事が、歯科矯正治療で必要な事なのではないでしょうか。