こんにちは。
宮城県岩沼市の
いわぬま矯正歯科クリニック院長小森です。
マウスピース矯正の中にはインビザラインがありますが、以前の記事でどのようなものであるかご説明させていただきました。
アライナーと呼ばれるマウスピースを自分で交換する必要があるのですが、それはどのような日数やタイミングでしていくのでしょうか。
マウスピースを交換する日数
インビザラインは歯型を採ると、治療の最初から最後までのマウスピースが数十枚作られます。
歯科医師の判断で異なりますが、平均7日(1週間)~10日ごとにマウスピースを交換していきます。
患者さまは自分で決められた日数で使用して、1か月~数か月ごとに歯科医院へ来院します。
交換する日数に影響する要因
それでは、マウスピースを交換する日数やタイミングは何によって決まるのでしょうか。
歯の凸凹の大きさ
歯ならびの状態によって、マウスピースを交換する日数が変わってくる事があります。
歯を大きく動かす必要がある場合、日数が短いと動ききらずに次のマウスピースになるため、日数を長めにとる場合があります。
骨の硬さ
歯は歯ぐきの骨の中を移動していきます。そのため、骨が硬いと歯は動きにくい可能性があります。
その場合は日数を長めにする事が必要です。
女性より男性の方が硬く、若年者より中高年の方が硬い傾向があります。
患者の協力度
マウスピース矯正では、一日20時間以上マウスピースを装着する事が推奨されています。ですがその時間を下回ってしまうと、思ったより歯が動かない可能性があります。
また、マウスピースは歯に合うようにしっかり入れる事が必要なのですが、患者さまによってはしっかり装着しない方もおられるため、歯の動きが悪くなって日数を長くせざるを得ない場合があります。
早く交換するデメリット
「早く歯ならびを治したい」
それは誰でも思う事ですが、早く交換する事でのデメリットがあります。
マウスピースが合わなくなる
歯に力を加えると、歯ぐきの骨を溶かして歯が移動していきます。
その溶けるスピードは人によって異なるため、マウスピースの交換時期が早すぎると徐々にマウスピースが合わなくなる可能性があります。
合わなくなるとマウスピースの作り直しになるため、それによって治療期間が延びてしまうかもしれません。
歯を痛める
マウスピースを早く交換する事で、歯に力がかかり過ぎる可能性があります。
そのため、歯の神経を痛めたり、歯ぐきの骨を痛めたり、歯の根っこが溶けてしまう(歯根吸収)事もあります。
まとめ
歯列矯正をされる患者さまは、誰でも治療期間が短い方が良いと考えます。そのため、マウスピースを早く交換すれば早く歯ならびが治ると思われるかもしれません。
ですが、必ずしもそうではありません。
「急がば回れ」
このことわざにもあるように、あわてず適切に治療する事が必要です。