成人矯正

咬み合わせを歯列矯正で治すと肩こりは治りますか?

こんにちは。

宮城県岩沼市の

いわぬま矯正歯科クリニック院長小森です。

 

先日、矯正歯科相談を受けていたのですが、患者さまから「肩こりがひどいのですが、矯正すれば治りますか?」とご質問を頂きました。

肩こりとは?

肩こりとは、首すじから肩・背中にかけての筋肉が、こわばり、疲労感、痛みを感じる症状を言います。

肩こりのほとんどは以下のメカニズムで生じます。

①僧帽筋をはじめとする肩の筋肉が疲労する

②肩の筋肉が硬くなる

③肩の血流が悪くなる

④肩の筋肉が硬くなる

肩こりが起こる原因

それでは、肩こりが起こる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。

姿勢の悪さ

悪い姿勢を取る事で肩こりは起こります。

例えば、パソコンやスマホなどの操作で前のめりの姿勢を続けると、首や肩に負担がかかります。片方の肩にだけ重いショルダーバッグをかけている場合も、片肩に負担がかかってきます。

正しい姿勢であったとしても、長時間同じ姿勢を取り続けると、それは肩こりにつながります。

体型

体型も肩こりの原因となります。

肥満体型

肥満体型の場合は、運動不足で筋力が足りない事と脂肪が重くて体を支える力が必要になるので、他の人以上に筋肉が緊張します。この事から肩こりが起こります。

極度のやせ型

極端にやせている体型の場合は筋力が少ないため、腕や頭を支えるための筋肉はいつも緊張した状態になり、血行が悪くなって肩こりが生じます。

猫背

猫背は背中を丸めて頭が前に突き出た姿勢になる事をいいます。そのような姿勢の場合、首や背中の筋肉がいつも引っ張られてしまうので肩こりが起こります。

なで肩

なで肩体型の場合は、鎖骨や肩甲骨が標準より低い位置がにあります。そのため、標準的な体型に比べて肩周辺の筋肉は余分な負担がかかります。

ストレス

精神的にストレスがあると、自律神経に乱れが生じます。交感神経と副交感神経のバランスが崩れる事で、筋肉や血管が収縮してしまって血行が悪くなり、肩こりにつながる場合があります。

眼精疲労

パソコンやスマホの画面を長時間見ると、目の周囲の筋肉や視神経が疲労します。

その疲労が肩の筋肉や神経に緊張などの影響を及ぼし、血行が悪くなる事で肩こりが起こります。

体の冷え

いわゆる冷え性は血行不良によって体が冷える事ですが、その血行不良は肩こりを引き起こす場合があります。

脊髄系の異常

頸椎に異常があると、その周囲の筋肉が緊張します。そこから肩こりが起こる事があります。ただし、頚椎症や頸椎ヘルニアは肩こりと似た症状になる場合があるので、単なる肩こりと勘違いしやすいです。

以下に肩こりと頚椎症・頸椎ヘルニアの症状の違いを挙げます。

腕や手に痛みやしびれが発生している

肩こりで腕や手に痛み・しびれが起こる事はありません。そのような症状があるのであれば脊髄関係の疾患を疑った方が良いです。

夜寝ている時に痛みが発生している

夜間寝ている時や朝起きた時に痛みがある場合、その部位や脊髄に炎症が起きているか椎間板の大きさや位置が変化している可能性があります。

マッサージの後に悪化する

肩こりはマッサージなど刺激を与える事で、筋肉の緊張をやわらげ血行を良くします。ですが、脊髄系の疾患の場合は刺激を与えると神経に刺激が伝わります。

そのため、マッサージ後に揉み返しなど悪化する場合、脊髄関係の疾患が疑われます。

首を動かすと痛みが発生する

首を前後左右に動かしたときに痛みが起こるのも、脊髄系の疾患を疑った方が良いかもしれません。

その他の病気

肩こり似た症状には、別の病気が潜んでいる可能性があります。

肩関節周囲炎(五十肩)

中年以降(特に50歳代)に多くみられる、肩関節が痛んで動きが悪くなる症状。

肩の関節を構成する骨、軟骨、靭帯、腱が老化して、肩関節周囲に炎症が生じる事で起こります。

狭心症・心筋梗塞

左肩の痛みは心臓疾患の可能性があります。

心筋梗塞の場合は胸の痛みが症状として出るのですが、その痛みは他の部位(左肩や腕や歯)の痛みを感じる場所と経路が同じなので、脳の錯覚である放散痛として左肩の肩こりと感じてしまいます。

更年期障害

更年期(40歳代~50歳代)で肩こりが起こる場合があります。

理由としては、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌低下による血行不良と、加齢による筋肉の衰えが挙げられます。

うつ病

うつになると交感神経が活発に働きます。交感神経は筋肉を緊張させるので、肩こりが起こります。

咬み合わせ

咬む事に使う筋肉は首の周りの筋肉につながっています。そのため、咬み合わせが悪いと筋肉のバランスが悪くなるため、肩こりが起こる場合があります。

歯列矯正で肩こりは治るか?

それでは、歯列矯正で肩こりは治るのでしょうか。それを考えるには以下の2つの問題点があります。

咬み合わせだけが原因か?

これまでご説明した通り、肩こりが起こる原因は様々です。それも原因がひとつだけの場合もありますし、複数の原因が重なっている場合もあります。

そのため、咬み合わせだけが原因であるならそこを治せば肩こりも解消しますが、他の原因も重なっているのであればそちらも治さないと解消しません。

骨格的な問題はどうするか?

咬み合わせが悪いと単純に言っても、それは歯だけの問題ではなく骨格的な問題である可能性があります。あごの先が横にズレているなど骨格的にズレがある場合は、歯だけを動かして咬み合わせは良くなっても骨のズレは残る可能性があります。

その場合、骨のズレによって筋肉が緊張して肩こりを生じているのであれば、咬み合わせを治しても肩こりは治りません。

外科矯正とは何ですか? 今回は外科矯正に関してご説明します。 外科矯正とは? 外科矯正とは、骨を切る手術を伴う歯列矯正です。 上あごと...



肩こりの予防法

まずは肩こりにならないもしくはひどくならないよう、予防する事が必要です。

良い姿勢を心掛ける

悪い姿勢は肩こりになるので、良い姿勢を取るよう心掛ける事が重要です。

立った時の良い姿勢

・ひざをまっすぐに伸ばす
・肩甲骨を少し後ろに引き、軽く胸を張る
・あごを少し引く
・頭頂部が真上に引っ張られるように背筋を伸ばす

 

座った時の良い姿勢

・背筋を伸ばす

・目線は20~30°程度下を向く

 

同じ姿勢を長く続けない

良い姿勢だったとしても同じ姿勢を続けると筋肉の緊張が継続してしまうので、一定の時間ごとに体勢を変える必要があります。

適度な運動

首や肩を動かす事で血行が良くなり、肩こりが解消します。

首や肩を大きく回すなどの運動で筋肉の血行が回復します。

入浴

体の芯から温めるために、少し長めに入浴すると血行が良くなります。

保温効果のある入浴剤やリラックス効果のあるアロマオイルを入れると、さらに効果的です。



肩こりの治療法

実際に肩こりになってしまった場合の対処法です。

マッサージ療法

首や肩の周りのツボやリンパのマッサージによって肩こりを解消する方法です。

自分でマッサージしてみるのも良いかもしれませんが、サロンなどでプロに施術されて教えてもらう事も良いのではないでしょうか。


温熱療法

患部を温める事で血行を良くして肩こりを解消させます。

とりあえずは肩や首のまわりを温める事から始めます。

 

眼精疲労が原因の場合は、目もとを温める事で毛様体筋(目のピントを調節する筋肉)の緊張をやわらげ、それが肩周りの筋肉の緊張をやわらげます。

 

運動療法

肩こりを解消するには有酸素運動が適しています。酸素を取り込みながら運動する事で血流が促され、酸素や栄養が循環しやすくなります。



薬物療法

薬による解消方法です。

飲み薬

 

緊張をやわらげる

筋肉の緊張をゆるめる働きがあります。

 

血行を良くする

血行不良を改善します。ビタミンB類をで末梢神経の損傷を改善します。

 

痛み止め

急性症状で筋肉が炎症を起こして、貼る場所が熱を持っている場合は痛み止めを使用します。

 

漢方薬

漢方薬でも肩こりに有効な物があります。

基本的には葛根湯を使って頂いて、それでも効果が出ない場合に冷えがある時は呉茱萸湯(ごしゅゆとう)、なければ半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)などを使ってみてもよいかと思います。

 

貼り薬・塗り薬

 

冷湿布

急性症状で筋肉が炎症を起こして、貼る場所が熱を持っている場合は冷湿布を使用します。

 

温湿布

カプサイシン(唐辛子成分)が配合されているので温かさを感じます。

 

 

塗り薬

患部の皮膚に直接塗るものです。



まとめ

肩こりは日本人の多くが悩んでいる症状ですが、その原因は単純にひとつだけとは限りません。そのため、咬み合わせを治して肩こりが治る方もおられますし、そうならない方もおられます。

ですので、ご相談の段階で肩こりを理由に歯列矯正を希望されても、矯正歯科医の立場としては「肩こりは治らないかもしれないですけど、それでも良いですか?」とお伝えせざるを得ません。

原因で話は全然変わってきますので、何が自分に合うのかを検討しながら肩こりに向き合って頂ければ幸いです。

医療法人KOM いわぬま矯正歯科クリニック

宮城県岩沼市たけくま1-11-1
理事長兼院長 日本矯正歯科学会認定医 小森 亮
ABOUT ME
アバター
こもりん先生
こもりん先生は、宮城県岩沼市にある医療法人KOMいわぬま矯正歯科クリニック(歯列矯正専門歯科医院)の院長です。 歯ならびや歯の矯正に関して、分かりやすくご説明していきます。 経歴 氏名:小森 亮(こもり りょう) 宮城県岩沼市出身 歯科医師、歯学博士、日本矯正歯科学会認定医 東北大学歯学部卒、東北大学大学院歯学研究科修了 医療法人KOM いわぬま矯正歯科クリニック(宮城県岩沼市たけくま1-11-1) 院長兼理事長 クリニック詳細は http://www.iwanuma-ortho.com/

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA