こんにちは。
宮城県岩沼市の
いわぬま矯正歯科クリニック院長小森です。
今回は「子どもの矯正の治療期間」に関してです。
治療期間に関してのご質問は料金・費用に次いで多いのですが、これは個人差があります。平均的には2~3年となるのですが、人によって数か月になる場合もあればトータル10年程度かかる場合もあるので、その幅は大きいかもしれません。
治療期間はトラブルの一番の原因
「いつまで通えばいいんですか?」
このご質問は矯正治療をされている患者さまやご家族の方から、矯正歯科が一番といっていいほどよく受けるご質問です。
ですが、明確な答えを返せない場合があります。診療している歯科医師が矯正歯科を熟知していれば、余計にその傾向が強いかもしれません。
それは、子どもの矯正ではその「いつ」が歯科医師であっても分かりにくい可能性があるからです。
子どもの矯正はどうなったら終わりか?
大人の矯正治療の終わりは明確です。
「歯のならびが良くなって、咬み合わせが良くなること」この2つが満たされるゴールに向かって治療が進められるので、ゴールに達したらそれで終わりです(保定期間が続きますが)。
それに比べると、子どもの矯正治療の終わりは明確にしにくいと考えられます。なぜなら、歯の生え変わりと骨の成長が治療の後に起こるからです。
結果、生え変わりや成長が終わるのを待つしかなく、期間が延びてしまう可能性が生じます。
歯列矯正の治療期間に影響を与える要件
治療期間に影響を及ぼす要因は様々あります。
治療の難易度
単純に前歯の角度を少し治すだけであれば、半年以内で終わる場合もあります。ですが大抵、治す箇所は複数になる事が多いので、治療期間は長くなります。
また、骨の大きさやバランスが標準と異なる場合は大人の矯正治療も考慮する必要があり、小学生から始めたのに高校生までかかる可能性も出てきます。
開始時期
矯正歯科治療をいつから始めるかは、治療期間に影響します。
「矯正は早い時期から始めた方が良い」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、一概にそうとは言い切れません。
治療方法
歯科矯正治療は、子どもの時から始めるのであれば2つのパターンが考えられます。
①子どもの矯正だけで終わる
②子どもの矯正に加えて、大人の矯正治療も必要
それによって治療の内容が変わる場合があり、期間も変化します。
歯の生え変わる時期や骨の成長の時期
お子さんによって成長は異なります。
歯の生え変わりは早い方だと小学校高学年で終わりますが、遅い方ですと中学・高校までかかる事もあります。
また、骨の成長に関しては男女差もあり、女の子ですと小学生のうちに成長のピークになる方が多いですし、男の子ですと高校まで待たなければいけない可能性があります。
来院間隔
基本的に歯列矯正は1か月ごとに来院が必要です。ですが、予約を忘れてしまったり他の用事を優先してしまったりと来院間隔が空いてしまうと、治療期間は長くなってしまいます。
長くなるだけであればまだ良いのですが、成長が終わって子どもの矯正ができなくなる可能性もあります。
多くの矯正装置は、歯を1か月動かしたらそれ以上は移動しません。患者さまが自分でネジを回すなどの自分で動かす装置であったとしても、一定間隔で歯科医師が確認しないと、動き過ぎたり変な方向に動いたりする可能性があります。
まとめ
他の歯科治療に比べて、歯列矯正は治療期間が圧倒的に長いものです。
歯科医院に通い続ける事が楽しいという方はあまりおられないと思いますので、大抵の方は治療期間が短い方が良いと考えがちです。そのため、治療期間を短く終わらせてくれる歯科医師が良い歯科医師と思われるかもしれません。
ですが、これまでにご説明したように、症状や成長によって治療期間は個々人で大きく異なります。
お近くの矯正歯科さまでお話をしっかり聞いていただき、ご理解いただければ幸いです。